中学校時代〜
 その後、正式にお母さんとお父さんの離婚が成立し、わたしの名字は変わりました。それと共に、わたしの街も変わりました。もともと、住んでいた家は借家で、近くにお父さんの実家があったこともあり、お母さんはそれを嫌ったのでしょう。お母さんは、お父さんと離婚してからも、毎日仕事で忙しいながらも、わたしには優しくしてくれました。

 わたしは、二人の言い争いを見て以来、どんどん暗くなっていたのに加え、まだ慣れない街で新しく中学生活を始めることの不安感でいっぱいだったのですが、お母さんはそんなわたしを心配してくれ、仕事で疲れているにも関わらず、毎日、わたしの話しを聞いてくれました。わたしは、そんなお母さんを見て、「わたしがしっかりしなくては。」と思い、徐々に元の明るさを取り戻していきました。

 ただ、ふたりの間で、お父さんの話がでると、とたんにお母さんの表情は険しくなり、お父さんのことを罵りはじめるのです。小学校時代のあの暖かな家庭がまだ忘れられずにいるわたしにとって、それはとても耐え難いものでした。

 お父さんとは、二ヶ月に一回、月の二回目の日曜日に会っていました。お父さんも、お母さんの話になると、口悪く罵倒しました。わたしは、どちらの味方もできず、ただただふたりの間をふわふわと浮いているようなかんじでした。

 わたしたち家族の、そのような関係は、わたしが大学を卒業し、同僚だった今のダーリンと結婚するまで続きました。
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