幸せな小学校時代
 お母さんから聞いた話によると、小学生の頃のわたしは、とても明るく、元気な子供だったそうです。

 授業中も、わたしが仲良しの女の子二人と一緒になって、あまりにはしゃぐので、先生からよく注意されていました。このことは、わたしたち仲良し三人組にとって、恥ずかしいことというよりかは、むしろとても誇らしいことであり、わたしたちがランドセルに貼った「ダメだよシール」は勲章みたいなものでした。家の近所のおじいちゃん、おばあちゃん達からも、「ちーちゃん、飴ちゃんあげるわ。」などと、お菓子をもらったりして、よくしてもらいました。

 そのころのわたしの家は、お父さんが会社を辞めて、自分で商売を始めた直後だったこともあり、家計に少し火がくすりぶりかけていた時期でもありました。それでも、お父さんはわたしのことをいつでも気にかけてくれていたし、お母さんも決してわたしに不安な表情を見せることはありませんでした。

 なので、わたしは何にも悩ませられることもなく、その幸せのなかに、ただつつみこまれていました。実際、小学校時代を思い起こしてみたとき、真っ先にわたしの心の中に浮かび上がってくるのは、お母さん、お父さん、そしてわたしからなる小さくはありましたが、とても優しく・温もりに満ちた、楽しい家庭でのひとときでした。
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